そろそろ起きようか

愛するジャニごと(主に関西Jr.)の記憶を残しておく場所。Twitterアカウント @akya_rara

キンプリちゃん東京ドームに行ってきた

ご縁あってキンプリちゃん東京ドーム(2022.4.17)にお邪魔してきた。

最近はずっと「なにわんシルバニアファミリー(おい)」を愛でていたのでSDの世界から唐突に正統派絵本を観た気分(もちろんSDの世界も大好きです)

初ドームとは思えない、良きライブでした。

私がここ数年内に観た単独ドーム公演は、嵐さんKinKiさんエイトさんなどのベテランか、或いは関西Jr.。ベテラン陣はそれぞれの風格で世界が出来上がっているし、関西Jr.は上へ上へ!前へ前へ!のガツガツ前のめり、目立ってなんぼ、弾けてなんぼの貪欲な空間。それらと比べるとフレッシュで若干の覚束ない部分こそあれ、進行にも彼らの表現にも浮き足だったところがほぼ見えない。福岡大阪を経ての東京だからかもしれないけれど、これがデビュー数年のキャリアか、Jr.の頃から常にど真ん中に居続けた故の強みなのかなとも思った。

 

さて、オープニングから。

極めて私見ながら、ジャニーズのライブの成功は、オープニングの登場方法が明暗左右するくらい大きな鍵を握っていると思っている。観客たちを、ざわざわした日常から一瞬にして「夢の世界」「楽しさしかない世界」へワープさせられるかどうかは、登場の瞬間にどんなインパクトを与えられるか、一息に魔法をかけられるかにかかっていると思うから。

幕が切られた瞬間、メンステど真ん中に時計を模した巨大な観覧車風のゴンドラがどーんと現れるインパクト。時計の文字盤に吊られた5つのゴンドラには曇りなき純白のお衣装でキンプリちゃん。これぞジャニーズ。なんとも豪華でど派手な登場。お金かかってる。しかもその時計型巨大ゴンドラのままセンステまで進んでくるという。すげーよこわいよ動いてるよ。これまでいろんなものがバクステ目掛けて迫ってくるのを見てきましたが(ムビステと言え)、面で来ると圧がすご。重そうなのによく動くなぁあれ!

この大掛かりな機構が最後まで一貫していたのも良かった。ラストでは再び5つのゴンドラに乗り、そのあとに王宮のバルコニーよろしく横に連なり、5人が並び、国民…もとい、ファンに感謝を伝えてステージを締めくくる。機構は幕引きの瞬間までその存在感を放って、夢の舞踏会を終え王子さまたちが時の向こうに去っていくよう。

オープニングからのメンステ特効も派手オブ派手。めっちゃパンパン言う。火力より音がすごい。みんなのお耳は大丈夫かしら。メンステのコンテナ演出もあー来た来た♪ジャニーズ♪だった。5人が乗り込んだコンテナ、空中で爆発するんでしょ、そして中には居なくて別から登場するんでしょうんうんうん。お約束のイリュージョンだけど久々に見るとめちゃ楽しい。

 

ただ、ステージ全体を思い返すと、このオープニングの機構こそ派手だが、全体に機構に頼りすぎてはいなくて、センステや花道は至ってシンプル。アリトロもフロートもあったけど、ムビステ他に動いたっけ?という感じ。生身のダンスと歌で魅せなきゃ成り立たない場面も随所にあって。私的にはそこがとても好感だったし、キンプリちゃんの自信の表れとも感じた。広いドームで数万人を魅せ続けるハードルは高い。派手なセットや映像に頼りたくなりそうなところを、5人で魅せようとする姿勢には肚の据わった潔さを感じた。

王子様たち、意外に肉体派。…そういえば、MCで脱いだり脱がしたりしてたな(違)

曲はシングル曲くらいしか分からないけど、新曲の2曲では「踊るように人生を」がお気に入り。ポップなダンスが可愛い。「koi Wazurai」は他の人が歌ってるので振り付け覚えるくらい聞いたし、カップリングだったのかな覚えてる「Funk it up」、シングル曲?の「I promise」も好きなので嬉しかった。

横花を使ってのMr.KING、Mr.Princeも程よく懐かしく。コロナなんてなかった頃の平和な夏を思い出した。金ぴか衣装もルマンド衣装もお久しぶり。特に「Prince Princess」はJr.にずっと歌いついでほしいと願う砂糖菓子みたいな名曲。♪びしょびしょになーっても♪のところの岸くんの手の振りが、びしょびしょを通り越してびっちょびちょ💦感があるところもずっと密かに好きです。

「シンデレラガール」こそ本当にいろんな人が歌うのを聞きましたが、正式な王位継承者バージョンを聞いた気がします…。衣装が王族過ぎて震える。知らない曲も多かったけど、飽きさせないのはさすがかも。

そして若さよ。なんかもう、ずっとキラッキラキラッキラしてる。デニムにシャツ一枚でもキラキラしてる。嵐さんを見てきた感覚ではMC明けに持ってきそうな「Magic Touch」からのガンガンに激しいダンスナンバーを、体力も尽きそうなラストに持ってきてこれでもかと熱を煽る辺り、もう若い。若いわー。ここのラメとダークな感じの衣装でわしゃわしゃ動くところ好き。個人的には、グループではメンカラ分けの衣装より同色系デザインで形違いの衣装が大好きなのですが、王子様然としてない衣装でもこういうゴージャス感は常に背負っていてほしい。

ダンスは、やはり海ちゃんがリズムの取り方も細部の美しさも図抜けていて上手い。バランスが良いのでどの瞬間をどの角度から切り取っても身体が綺麗なフォルムになってる。そしてこれは単に好みだけれど、海ちゃんに私は目が行く。例えば、ハードなダンスで肘をガツンと付き出していても指先がふわっと緩やかにくねっていたり、首の角度、手の止め、腰の落とし方といったニュアンス…。ダンスの中に一瞬一瞬「遊び」があって、上手いをひけらかしたり押し付けたりするのでなく楽しんでる余裕が伝わってくるところが好き。

もともと指の先とか細部まで気を行き届かせたダンスが好きなんだけど、綺麗さの先の遊び、というか。

れんちゃんは、「風」を味方に付ける人。オープニングの白い衣装もひときわ長いローブ(ジャニの衣装さんは長身のメンバーに長いのを着せたがる。偉い。好き)がターンのたびに大きく翻る様がそれはもう美しいし、バウンスでは一人だけ裾が長く広がったシャツが大きく風を孕む(……、はためきすぎてばしっと前をはだけきれなかったとこはご愛敬)。個人的にはオープニング後の赤いジャケット衣装の時のダンスが好き。純白の衣装では動きに布量が勝ってしまっていたけれど、身体の線がでるスタイルだと手足の長さを生かしたちょっとグルービーでアンニュイな動き、上体から下半身にゆるっと波打つ動きがとても色っぽくて印象的。相葉さんの頃から長身スリムなスタイルおばけさんの細身パンツは「正義」だと固く信じてる。あと、シンデレラガールか曲忘れたけど、他の子が足をハの字に戻しているなかで一人だけ王子様スタイルっつーか、片膝曲げて後ろに引いた足先立てたまんまになってたの、無意識だろうけどスタイルの良さが恐ろしく際立つので、善きです。

岸くんのキャラメルボイスは大好き。甘い甘い。そしてよく伸びる。てかキンプリちゃん皆こんなに歌が安定してるのね。過去の印象より皆ぐっと上手くなったなぁという気がしました(過去をそんなに知らないので限られた知識の範囲で)。岸くんの歌声は安定だけど、れんちゃんがあんなに綺麗な高音でフェイクやってるの知らなかった&高音はよく伸びてウエッティで甘やかだし、海ちゃんや神宮寺くんの音程も安定していて。キンプリちゃんって歌こんなに上手かったんだー!?思った(失礼)。

 

お遊びコーナーやMCもさほどは崩れないキンプリちゃん。アリーナコン時代にぐだぐだだったという噂を聞いた記憶があるので、もしかしたらドーム仕様のしっかりMCだったのかしら。

唐突にメンカラ原色ハデハデケバケバストールを首にかけ、おふざけパリピ風のメガネをかけても、キンプリちゃんはパラパラは踊らないしジュリ扇も振らない(ちょっと期待した…あかーん!)←。えーっと何年か後にはガングロメイクしたりします?して欲しいような、せんでもいいような。どっち。

途中で挟まれたコスプレコーナー?は…えっと、よく分かんなかったです(笑)。コントというほどでもなく。客席振り付け曲の振りということなんでしょうか。まぁああいう謎のトンチキもジャニーズのお約束なので嫌いではない。でもなんであったのかは考えてもやっぱりよくわかんないw。私の好きな坂道くんが都会の風に染まって、金髪チャラ道くんになってたことくらいしか。そして神宮寺くんの新一は似ているのか微妙なのか。うーんわかんないw←

 

それとクレーン、あれはどうかな?冒頭の時計の機構も最後のライオンに王冠のフロートも、キンプリちゃんの世界観でびしっと決まっているなかで、クレーンだけが地味っつーか、なんとなく中途半端な存在に感じた……揺れるからメンバーもあまり動けないようで、位置も止まっていなくてはならないからファンサも局地的にならざるを得なくて、あれならリフターでもよかったのではなかろうか……?てか、「Mazy Night」踊ってほしかったよ、ダンス好き的にはね。

あと、キンプリちゃんというより演出面ですが、花道での照明はもう少し光量上げていいと思う。お星さま席の距離だったからかものがしれないけど、アンコールなんて花道地面もダークグレーだし、ツアーTも黒いので、メンバーがどこにいるのかわかんなくなるときがありましたよ…。

 

細かいことはさておき、徹頭徹尾「正統派キンプリちゃん」の世界が大切にされているなぁと感じた。盛り過ぎてないとも言う。これ実は結構ストイックなことなんじゃないかと思ってる。初ドームであれば、あれもこれもセクシーもワイルドもキュートも笑いも、なんなら歴史を振り返ることも、モリモリにしたい欲も出そう。もちろんファンにはオモチャ箱がひっくり返ったような何でもあり構成になっても楽しかろうし、デビューから今日を振り返ってエモくなるのもまたたまらないものではあろうけど、今回は知識の乏しい私にも「らしい」と感じる曲で統一され、見たいキンプリちゃんがそこにいた。「遂にドームにたどり着いたぞぉ!」という感慨よりむしろ、これもひとつの通過点と見なしているかのようなクールさもあり。一気に客層の広がるドームで、あるべき「キンプリ」をきちんと届けることを念頭に丁寧に考えられたステージという気がした。

そう、カウコン以外で初の生キンプリちゃんは、ジャニーズの看板を背負っていく次世代として期待を裏切らない堂々とした王子様たちでした。

 

いつまでもこういう言い方をするのが良いのか分からないけれど、ジャニーさんが大切に育て自らデビューの瞬間を手掛けた最後のグループである彼らのドーム公演、見てほしかったよねぇって唐突に思って、終盤でちょっと泣きそうになった。

少し前にEndlessSHOCKの配信を見て、ジャニーさんに帝劇の0番を背負わされた光一さんが、同じく帝劇を背負わされたことのある勝利くんへ伝えようとしている師への想いの深さを感じたばかりなので。ショーってどういうものか、お客さんを楽しませ夢の世界に連れていくってどんなことなのか。マニュアルや教科書が残っているわけではなく、かつて言われた言葉や教えから、自分達で考えて紡ぎだし編み出し形にしていかなきゃならない。

キンプリちゃんは、このドーム公演を編み出した。とってもとっても素敵なジャニーズワールドだったよ。

 

外野からですが願うのはキンプリちゃんにはこれからもジャニーズの王道を歩んでほしい。

キラキラして、夢の世界で。

いろんなグループがあってジャニーズ自体もこれから時代やメディアの変化と共に変わっていくだろうけれど、いろんなポテンシャルでその世界を拡げていきながらも、軸足はずっとジャニーさんが目指した、豪華で度肝を抜く非日常、ショーアップされた別世界へ連れていってくれる王道でいてくれたらいいな。

 

良きコンサートでした。

ありがとうございました。